動悸(どうき)について
◇動悸
・心臓の拍動を強く感じる
・脈拍が急に速くなる
・時々脈拍が抜ける感じがする
・脈がばらばらに感じる など。
正常の人でも、運動直後や驚いたとき等に動悸は感じられます。
甲状腺疾患や貧血、精神的ストレスなど心臓以外の病気でも生じますが、心臓疾患が原因の場合は不整脈や心不全などが考えられます。
□不整脈は全てが病的とは限らず、治療が必要のない場合も多くありますが、なかには失神や心不全、脳梗塞、突然死につながるものもありますから、きちんと検査を受けることが必要です。
検査としては、安静時心電図、ホルター心電図検査(24時間心電図)、採血(貧血、甲状腺機能、電解質など)、心臓超音波検査(心臓の大きさ、動き、心臓弁膜症、心不全の有無など評価)などで動悸の原因を調べ、治療が必要かなど評価します。
□上室期外収縮、心室期外収縮は最もよくみられる「動悸」の原因ですが、多くの自覚症状のない人に対して24時間心電図を施行すると、これらの不整脈が認められると言われています。
基本的に期外収縮は治療の必要がないことが多い不整脈ですが、時として他の心臓病(心筋梗塞や狭心症など虚血性心疾患、心筋症、心臓弁膜症など)を伴っている場合があり、心臓の精査は必要です。
必要に応じて専門施設を紹介する場合もあります。心房細動や発作性上室頻拍など不整脈の種類によっては、カテーテルアブレーションという方法で根本的に治療することもあります。
・洞頻脈、発作性上室性頻拍
一定のリズムで1分間に120~160回拍動します。正常の2~3倍の速さで拍動します。
・上室期外収縮、心室期外収縮
一定のリズムの中に、脈がとぶ、一拍抜けたように感じる。
・心房細動(慢性、発作性)
まったく、ばらばらに拍動します。
・心不全
息切れ、呼吸困難を伴っているときは、心不全(心臓の働きが弱っているおり、体が必要とする血液を送りだせない状態)により脈が速くなっている可能性もあります。
【こんな症状がある方はご注意ください】
・突然の動悸とともにめまいがしたり、気を失った(失神した)ことがある。
・胸のドキドキとともに胸痛や息苦しさがある。
・脈が数えられないほど速い。
・脈拍数が毎分50回を切るなど極端に脈が遅い。
・家庭用の血圧計で測ったら、脈の数字がばらばらだった。
・脈の間隔が一定でない。
・血圧が極端に低い。
・家族や親せきに突然死の方がいる。
これらのなかには突然死や心不全、脳梗塞につながるものもありますから、早急に医療機関での診断をつけることをお勧めします。