心不全について
心不全は、「全身が必要とする血液を心臓が上手く送り出せなくなった状態」で、息苦しさや疲労感、足のむくみなどの症状が出る一般的な心臓の病態で、深刻な慢性病です。心不全患者数は2030年に130万人に達する見込みで増加傾向にあります。病状が悪化しないように、症状や出現しうる兆候を認識して適切に治療し、継続的に観察していく必要があります。塩分・水分の過剰摂取や高血圧の悪化などをきっかけに悪化することも多く、生活習慣の改善も必要です。年齢が上がるにつれ心不全患者数は増加傾向にあり、様々な内科疾患を合併した症例が増えています。
労作時の息切れ、安静時にも常に息苦しい、臥床時に増悪し、上体を起こすと楽になるなど、重症度や原因により様々な症状の出方があります。心不全の原因としては、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患(心臓は養う冠動脈の血流が動脈硬化や血栓が原因で悪くなる病気)、心臓弁膜症、心筋症(心臓の筋肉の収縮が弱り心臓が拡張したり、心筋が肥大する病気)、肺の病気(慢性閉塞性肺疾患など)による心臓への負担の増加などがあります。胸部レントゲン検査、心電図検査、血液検査、心臓超音波検査などを行い、心不全の程度、原因を調べることが重要で、更に高次医療機関では必要に応じてCTやMRI、心臓核医学検査、心臓カテーテル検査などで精査し、原因に応じた治療を行います。